カフェイン摂取量上限と門限~コーヒーは1日何杯夜何時まで飲んでいいのか
カフェインは、眠気を覚まして元気にしてくれるものですが、いくら摂取してもいいというわけでは、もちろんなく…
過剰摂取は危険です。
カフェインは1日にどれだけ摂っていいのか、コーヒーは何時まで飲んでいいのか調べてみました。
Contents
1日の摂取量上限
2017年現在、日本では1日のカフェイン摂取量推奨上限というのは設けられていません。
海外で推奨される数値ですと、カナダで400mg/日、欧州食品安全機構の発表では体重40kgの人で228mg、60kgの人で342mgとなっています。
(通常の成人の場合です。妊婦さんは、200mg~300mg以下に抑えるのが望ましいとされることが多いようです)
参考
東京都福祉保健局 東京都食品安全FAQ
Scientific Opinion on the safety of caffeine
コーヒーなら何杯まで?
ドリップコーヒー1杯に含まれるカフェイン量は、100mlあたり60mgくらいです。コーヒー1杯は大体150mlくらいが平均なので、カフェイン量は1杯で90mg前後になります。
400mgまで摂っていいのであれば4杯、300mgを上限とした場合で3杯までなら飲んでもOKなのですが、カフェインは、お茶やチョコレートなど、コーヒー以外のものにも含まれているので、注意が必要です。
カフェインは夜何時まで摂っていい?
夜にコーヒーを飲む人は多いと思いますが…
Tarzan(ターザン) 2016年 10月13日号 今日トレ! 今日から始めるトレーニング によると、カフェインの影響は摂取から10時間くらい残るそうです。
10時間!?
夜12時に寝るなら、10時間前は午後2時ですが…
また、「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」という本でもやはり寝る6時間前のカフェイン摂取であっても、睡眠の妨げになるという実験結果が報告されています。
被験者に問診すると、「6時間前摂取なら眠りに影響しなかった」との回答が多いのですが、実際の睡眠データでは平均1時間も睡眠時間が短くなっていたというレポートです。
自覚しにくいということでしょう。怖いです。
同書でも午後2時以降のカフェインは控えるよう提案しています。
カフェインの覚醒作用はアデノシンの抑制作用
コーヒーを飲むと眠気が消えるのは、アデノシンに拮抗するからです。
アデノシンは眠りを呼ぶ物質のひとつです。
私たちが覚醒している間、アデノシンは脳脊髄液に少しずつ溜まっていきます。
睡眠ニューロンにはアデノシンの受容体があるので、アデノシンが増えれば睡眠ニューロンは活性化します。
簡単に言ったら、
アデノシンたまる→眠くなる
です。
カフェインにはアデノシンを阻害する働きがあるので、眠気が覚めるのです。
日中の眠気なら阻害してくれて結構なのですが、これが夜寝る時間に働くとうまくありません。
※睡眠を誘う物質はアデノシンだけではありませんが、アデノシン受容体を欠損させたマウスではカフェインの覚醒作用が発現しなくなるそうで、この実験からカフェインの覚醒作用とアデノシンの関連性が確認されています。
研究概要:アデノシン受容体遺伝子欠損マウスを用いた睡眠調節の解析|KAKEN
分かりやすく詳しい本
カフェインの半減期
カフェインの半減期は、論文によってまちまちですが
英語版Wikipediaでは、成人で3~7時間
日本語版Wikipediaだと4.9時間
となっています。
個人差を横に置いておいて、ひとまず5時間として考えると…
90mgのカフェインの含まれるコーヒー1杯を午後2時に飲んだとすると
5時間後の午後7時には、45mg
さらに5時間後の夜12時時点で25.5mg
のカフェインが体内に残っていることになります。
午後2時にコーヒーを飲んで夜の12時に寝るなら、寝る直前にコーヒー4分の1杯を飲んでいるのと同じことです。
4分の1杯というと、ぎりぎり睡眠に影響しないかな?くらいの量じゃないかと思います。
敏感な人だと、これでも眠れなくなるかもしれません。
夕食後、午後7時にコーヒーを飲むと、夜の12時にはまだ45mg、コーヒー2分の1杯分のカフェインが残っています。
夕食後のコーヒーは、控えたほうがいいのかな?と思います。
⇒これ、実際にやってみました。
夕食後のコーヒーをカフェインレスコーヒーに変えてみたのです。
効果ははっきり!でした。
これまで、もう自分はカフェインに慣れてしまっていて、コーヒー飲んだくらいでは全然眠気が覚めない
↓
だから夜寝る前にコーヒーを飲んでも悪影響はない(眠りを阻害されることはない)
と思い込んでいたのですが、全然違いました。
夕食後のカフェインは控えた方がよさそうです。
最近はカフェインレスコーヒーもたくさん出ていますし、ハーブティなど、ノンカフェインの飲み物も選択肢が増えています。
カフェインは、寝る時間(寝たい時間)の10時間前まで。
意外に簡単に実行できるので、是非これをルールにしてみて下さい。
カフェインレスコーヒーを片っ端から飲み比べたレポートはこちらに
コーヒーの1日量と何時まで飲めるかをまとめると
- カフェインは、体格によって1日200mg~400mg程度までに抑える
- ドリップコーヒー1杯に含まれるカフェイン量は約90mg
これに
- 寝る10時間前を過ぎたらカフェインは摂取しない
(=夕食後のコーヒーはやめる)
というルールを組み合わせると、自然に朝とランチ後の2杯に落ち着くのかなと。
カフェインレスな夜を過ごした翌朝のコーヒーはとてもおいしいです。
ぐっすり眠ってシャっきり起きる毎日を手に入れましょう!