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相続放棄のできる条件とできないケース

2018年11月3日

相続放棄というのは言葉の通り、相続権を放棄することです。

人が死亡すると相続が発生します。

相続順位の一番高い人で遺産を分けることになるわけです。

この相続を「しません」と正式に表明する法律上の手続きが相続放棄です。

相続放棄を検討するケース

なぜ相続放棄をするのかは、それぞれの家の事情によります。

親の事業を子の誰かが継承しているなどの場合、事業の安定のために跡継ぎである人に遺産を集中させたほうがいいと判断して、継承者以外の兄弟が相続を放棄するということもあるでしょう。

ほかに、死亡した人(被相続人)の財産に負債が含まれ、負債の方が資産よりも多いケースがあります。

このブログで話しているのは、こちらのケースです。

遺産にはプラスの財産とマイナスの財産がある

遺産とは、亡くなった人が残した財産ですが、これには負債も含まれます。

プラスの財産マイナスの財産と表現されているのをよく見かけます。

プラスの財産というのは、預貯金や不動産などを指していて、一般的に遺産と聞いて最初にイメージするのはこちらでしょう。

問題のマイナスの財産ですが、これは簡単に言ったら借金です。事業やカードの未払金も該当しますし、連帯保証人の地位もマイナスの財産です。

借金を残したまま死亡した人の遺産にはその借金が、連帯保証人のまま亡くなった人の遺産には連帯保証人の地位が含まれています。

連帯保証人についてはコチラに

マイナスの財産がプラスの財産よりも少なかったり、マイナスの財産がまったくなかったりする場合にはいいのですが、マイナスがプラスを上回っている場合は、相続人が借金を背負ってしまうことになります。

これを避けるために相続放棄という手段が用いられます。

負債の法定相続人になってしまったら相続放棄を。これが大原則です。

相続放棄ができないこともある

相続放棄は必ずできるわけではありません。

できないケースは…

相続を知った日から3ヶ月以上経過

まずその期限が定められています。

相続放棄の申し立てをできるのは、自身の相続を知った日から3ヶ月以内です。

この3か月間を熟慮期間と言います。

相続を知った日から3ヶ月以上過ぎてしまうと、相続を単純承認したものとみなされます。

「単純承認する=被相続人の遺産すべてを相続する」ということなので、マイナスの財産も丸ごと相続します。

勘違いしやすのですが、3ヶ月以内の意味は、相続を知った日から3ヶ月です。

被相続人の死亡日から3ヶ月以内ではありません。

例えば死んだ親に財産があったことを知らずに、何年も経ってから保証協会からの通知で自分が法定相続人であると知った場合には、その通知を受け取った日から3ヶ月間が熟慮期間と解釈できます。

被相続人の死亡日から何年もたっているからといって相続放棄ができないわけではありません。

私が保証協会の通知を受け取ったのは父の死から15年が経過した後でしたが、無事に相続放棄できました。

詳しくはコチラに

保証協会からの突然の通知を受け取ったら、相続放棄を検討してください。

相続をしてしまった

プラスの財産にせよマイナスの財産にせよ、遺産の一部を相続してしまった場合、これも単純承認に該当するので、残りの遺産だけ相続放棄することはできません。

被相続人(死んだ人)の預金を受け取っていたり(預金口座を解約した場合も含まれます)、家や土地を自分名義に書き換えていたりと、プラスの財産を相続している場合はもちろんですが、親の残した借金のうち、死亡時点で存在の分かっていたものを返済していた場合も、含まれます。

こうなると相続放棄ができません。

負債の額によっては、債務整理が必要になることもあるでしょう。

でも、相続放棄できないと思っているのが勘違いかも知れません。

いずれの場合も専門家の助言が必要です。

相続放棄ができない時にも、保証協会からの通知は決して放置せず、できるだけ早く弁護士などの専門家に相談してください。

保証協会の債務は、放っておいて消えることは絶対ありません。