連帯保証人とは-保証人との違い
このブログは、父の死後10年以上経過してから父に連帯保証債務があったことを知った経験から、同様のことが起きている人を対象に書いています。
信用保証協会から届いた通知には
父が連帯保証人になっていた債務の残高は現在9千万くらいであることと、私がその法定相続人であることが書かれていました。
連帯保証人?
父が連帯保証人だったことも知りませんでしたし、連帯保証人についても、借りた本人の代わりに借金を返済しなければならないものだということくらいしか知りませんでした。
連帯保証人とは
保証人には、単なる「保証人」と「連帯保証人」があります。
他に「根保証人」「物上保証人」という地位もありますが、これは、保証協会の債務相続とほとんど関係ないので、ここでは割愛します。
保証人と連帯保証人は全然違う
単純保証人
「保証人」(=単純保証人)であれば、
- 催告の抗弁権
- 検索の抗弁権
- 分別の利益
が認められます。
「催告の抗弁権」:
債権者からの請求があった時に「先に主債務者をあたれ」と言うことができます。
こちらへの請求は、主債務者が返済不可能な状態の時だけにしろと言えるわけです。
「検索の抗弁権」:
主債務者に財産が残っている時に、「そっちを差し押さえろ」と言える権利です。
「分別の利益」:
債務を保証人の頭数で割った金額だけを負えばいいということです。
1億の債務の保証人が5人いた場合、1億を5分割するので、保証人ひとりあたりの債務負担は2000万円になります。
連帯保証人
連帯保証人には、上記の権利「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」「分別の利益」がありません。
つまり…
主債務者より先に債務の返済を要求されても文句は言えない
主債務者に財産があることを知っていても、それを差し押さえろと言えない
連帯保証人は何人いても、全員が債務全額の返済を要求される
ということです。
参考:連帯保証人|コトバンク
最後の「連帯保証人は何人いても、全員が債務全額の返済を要求される」というのは分かりにくいですが…
まず…
1億円の債務の連帯保証人が5人いた場合
5人の連帯保証人全員に1億の返済請求が行きます。
次に…
連帯保証人の誰がが一部を返済すると…例えば2千万円を返済したとすると…
債務残高は8千万円になるので、その後は
5人の連帯保証人全員に8千万円の返済請求がされます。
連帯保証人は、借金した本人と変わらない責任を負います。
単純保証人とは、まったく違うのです。
そして、連帯保証人の法定相続人は、連帯保証人になります。