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相続放棄によって起こりえるデメリット

2018年11月3日

相続放棄にはデメリットと言える点もあります。

相続放棄によって発生するデメリットを確認しておきましょう。

プラスの財産も相続できなくなる

これは分かりやすいデメリットです。

例えば、父親が亡くなった時、

父親名義の預金や家屋(プラスの財産)がある

父親に負債(マイナスの財産)がある

という状態だった場合、

マイナスの財産がプラスの財産よりも多いときは、相続放棄を検討することになると思いますが、どちらが多いかはっきりしないこともあります。

そういう時は、限定承認という手段が有効になります。

限定承認の手続きは、相続放棄よりもずっと複雑になります。課税額などにも関わって来ますので専門家に相談してください。

相続放棄の撤回はできない

デメリットとは少し違いますが、相続放棄は裁判所に受理されると撤回することができません。

相続放棄後に負債を上回る莫大な財産があったことが分かったとしても、放棄しているので相続することができません。

私の経験したのは、死んだ父が信用保証協会の債務の連帯保証人だったケースでしたが、その負債は9千万近く、どこをどう探しても父にそんな財産がないことは分かり切っていたので、この問題について深く考える必要もありませんでしたが、家によってはそんなこともあるかもしれません。

資産のありそうな家では、相続放棄をする前に、亡くなった人のプラスの財産とマイナスの財産がどれだけあるか、よく確認してください。

下位の相続順位の親族に相続がバトンタッチされる

人が死亡すると相続順位の高いほうから順に法定相続することになります。

子が最上位の法定相続人で、配偶者は常に法定相続人です。

父親が死んで、母と子供2人が残った場合には、この3人が相続順位第1位になり、母親が2分の1を相続、残りの2分の1を子供二人で分けて4分の1ずつを相続することになります。

この3人が全員相続放棄をした場合、相続は次の順位者に移ります。

父親の親がまだ生きていれば、その人が次の法定相続人です。

子供から見た祖父母ということです。

配偶者と子供が相続放棄をすると、祖父母が負債を相続することになり、これでは困るので、祖父母にも相続を放棄してもらう必要があります。

祖父母(被相続人の親)が相続を放棄すると次は、被相続人の兄弟(血のつながった兄弟)が法定相続人になります。

子供から見た父方の伯父、叔父、伯母、伯母ということです。(父親より年長か年少かは関係ありません)

うっかりそれを伝え忘れていたりすると、いずれ親戚の元に突然の債務通知が届くことになってしまいます。

第1順位 直系卑属

子が死んでいれば孫
子と孫が死んでいればひ孫
配偶者は常に法定相続人
第2順位 直系尊属

親が死んでいれば祖父母
親と祖父母が死んでいれば曾祖父母
第3順位 兄弟姉妹

参考:法定相続人の範囲|三井住友銀行

相続放棄をするときは、あらかじめ親戚にも、次に法定相続人になることを伝えておいたほうがいいです。

元々関係の良くない親戚だったりすると、相続について伝えるのも気が重いことがあると思いますが、黙っていると、この相続がまた揉め事の種になってしまいます。

被相続人の子の全員が相続放棄すると、その相続が家の外へ出てしまう。

これが、意外に厄介な相続放棄のデメリットです。