信用保証協会とは
最初に信用保証協会からの封書が届いた時は、なにがなんだか分かりませんでした。
死んだ父に連帯保証債務があったことも知らなかった私が、保証協会のことなど知るはずもなく…
でも、どうやら借金の返済を要求する通知なのだなと分かり、信用保証協会というのは取り立て代行屋のようなものかと認識しました。
そういう機関ではありませんでしたけれど(笑)
信用保証協会とは
信用保証協会は、中小企業や個人の保証人を責め立てて取り立てる人ら…ではありません。
それも仕事の一部ですが、中小企業の資金繰りを助ける存在でもあります。
というよりそれが存在理由です。
企業が信用保証協会から資金を借りているわけではない
企業が事業資金を用意したいと考えるとき、まず銀行や信用金庫に融資の相談をするのが普通でしょう。
貸す側としては、貸したまま倒産でもされて貸し倒れになるのが怖いので、万が一の場合の保証が欲しいところです。
そこで信用保証協会です。
信用保証協会は、返済されなくなった債務を肩代わりして、債権者(資金を貸していた金融機関)に返済する(これが代位弁済です)と、金融機関に約束します。
この保証があるおかげで、金融機関は安心して企業に融資が出来ます。
もしも融資した企業が倒産しても、貸したお金は信用保証協会から返って来るからです。
逆にこれがなければ企業は資金を借りることができないかもしれません。
信用保証協会あってこそ、苦境を乗り切ることができたという企業もたくさんあるはずです。
貸してもらったものなどなく、返済だけを要求されている私たち法定相続人には悪魔の使いのように見える信用保証協会ですが、本来は中小企業の味方として存在しているのです。
信用保証協会に保証してもらうには
企業が保証協会に融資の保証をしてもらう際に必要なものは2つあります。
- 信用保証料
- 連帯保証人
です。
信用保証料
資金を借りる者が、保証してもらう見返りに最初に支払うものです。
料率は企業の財務状況などによって変動します。
東京都信用保証協会の保証料率体系を見ると、0.45%~1.9%とあります。
保証料の具体的な計算方法等の詳細は、相続人となってしまった私たちの立場では知る必要がありません。
連帯保証人
保証料の他に信用保証協会の保証を受けるのに必要なのが連帯保証人です。
保証協会が債務を代位弁済したときには、債権は保証協会に移ります。
銀行や信用金庫ではなく信用保証協会が債権者になるということです。
債権者である保証協会は、主債務者に弁済額と損害金(利子のようなものです)を返済しろと請求しますが、代位弁済がされるときには、主債務者である会社は倒産していることが少なくありません。
そんな時のために、保証協会では最初に連帯保証人を立ててくれと要求します。
主債務者(保証協会の融資ならたいていは企業です)が倒産しても債権を回収できるように、借主と同じ責任を持つ人を用意しておけということです。
会社が資金を借りるなら、その会社の代表が連帯保証人になることが多いでしょう。
また、平成17年度以前は、第三者連帯保証人という企業経営と関係していない人が連帯保証人になることに制限がなく、経営者の友人、親戚などが連帯保証人に名を連ねることもありました。
債務の返済が滞ったとき、返済請求は連帯保証人に回ってきます。
これはなにも、主債務者に返済能力がない場合に限ったことではなく、債権者は主債務者を飛び越して連帯保証人に返済を迫ることも可能です。
ここに詳しく書いておきました。
もっとも…信用保証協会の債務の場合、主債務者である企業は倒産しているケースが多いでしょう。
倒産した会社から返済してもらうことはできないので、連帯保証人が返済することになります。
連帯保証人が死亡したら…
連帯保証人の法定相続人に請求します。
法定相続人は連帯保証人の地位をそのまま相続しています。
相続放棄をするまでは、連帯保証人の配偶者や子は連帯保証人そのものなのです。
連帯保証人の法定相続人として、私たちが保証協会から寝耳に水の借金をつきつけられたのは、このためです。