【あしたのジョー全出来事20】ついに拳闘に目覚めたジョー「あいさつぁぬきだ」
2017/06/18
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いなど確認しながら振り返って行きます。 順に読んでいくとすべてのストーリーが分かるように作ります。
アニメとコミックでは、話の出てくる順序が違うことがありますが、アニメには漫画にないエピソードが含まれていることもあり、アニメに沿って進めます。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので、「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
今回は、なんとしても力石を倒したいジョーが、ついにボクシングをやる気になり、段平に指導を要求する話です。
Contents
エピソード
ジョーは、力石の「お前のジャブだけはプロ並み。あとは子供だまし」という言葉を思い出しています。
ジャブは、段平から教わった唯一のボクシングテクニックでした。
と言うことは…
こうなるとジョーの行動は早いです。
早速段平に、通信教育「あしたのために」の続きを早く送れと書き送り、段平をうれし泣きさせたのでした。
この時のジョーの葉書も実に名文です。
ロクに学校に行っていない人が書いたとは思えないまとまりのよさ。語彙の豊富さ。用件を過不足なく伝える技術。
それでいて気取りがなく、少し照れているジョーの心情も垣間見えて、まるでジョーがその場でしゃべっているような血の通った文面です。
段平はきっとこの手紙を一生とっておいたことでしょう。
該当箇所
コミック:2巻 P.141~157
アニメ:第10話「赤い夕陽に吠えろ!」
原作とアニメの相違点
アニメでは脱走に半ば成功している
アニメだけにあるエピソードです。
原作では、力石パンチ事件後に放り込まれた反省房でポケットに入っていた「あしたのために(その2)=ストレート=」を読んで、力石を倒すには練習だ!となります。
農場で郵便係の力石から葉書受け取ってたんだっけね、そういえば。
アニメでは以下の脱走譚が入ります。
ブタに乗って逃走する試みが力石によって破られ、医務室に運ばれたジョーにこれまでの精悍さはなく、ぼんやりしてまるで廃人です。
実はコレはジョーの演技。
教官たちを油断させて、医務室にひとりになると窓をぶち壊して逃走します。
高笑いで海辺を走るジョー。
外に出られた!爽快なシーンですが、ジョーはどこか無理にはしゃいでいるように見えます。
岩陰で寝転んでいると、郵便船が着き、配達のじいちゃんが、自分の代わりに少年院あての手紙を届けてくれないかと言い出します。
このじいちゃんも無茶苦茶だ。
今出てきた少年院に?とジョーは笑いますが、手紙の束の中にドヤ街の子供たちと段平からの葉書「あしたのために(その2)=ストレート=」を見つけます。
アニメでは、「あしたのために(その2)」がジョーの元に届くのは、これで三度目なのです。
- 警察病院から鑑別所に送られるとき、護送車に乗せられるジョーに段平が手渡した。→ジョーは、その場で破り捨てる
- 少年院に移ってから、めげすに段平が再度葉書を送った。→「本人の意思により返送」とのメモつきで少年院から送り返された
- それでもめげない段平が、もう一度同じ内容(ストレート)の葉書を出した→今、脱走中のジョーの手元にある
三通目にしてようやくジョーはそれを読み、力石の言葉を思い出します。
「お前のジャブだけはプロ並み。あとは子供だまし」というアレです。
力石に負けたまま逃げるわけにはいかない。
ジョーの心は決まりました。
ジョーは葉書を握り締めて立ち上がり、やっとのことで抜け出した少年院へ走って帰ります。
自由を愛するジョーが自ら飛び込んだ少年院は、もうあなたを捕える檻じゃない。
最高だねジョーって。最高だね。
私はどちらかというと原作派で、ジョーについて考える時は原作の内容をベースにしていますが、この場面とこの時のジョーが大好きです。
その頃少年院では力石が「俺は賭けてもいい。矢吹は戻ってきますよ。あいつがこの俺を忘れて逃げるはずがねぇんだ」と教官に話しているのでした。
ここの少年院の教官連は、力石に一目置きすぎて力石のほうが偉いように見えるよ。