【あしたのジョー全出来事27】少年院にボクシングブーム勃発 青山初勝利
2017/06/18
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返って行きます。
順に読んでいくとすべてのストーリーが分かるように作ります。
アニメとコミックでは、話の出てくる順序が違うことがありますが、アニメには漫画にないエピソードが含まれていることもあり、アニメに沿って進めます。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので、「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
今回は、ジョーと力石の試合後、少年院にボクシング熱が高まり、自主的に試合を始める話です。
Contents
エピソード
ジョーのクロスカウンターが決まり、力石とジョーはリングに倒れたままです。
何が起きたのか分からず首を傾げる収容生たちに段平が、今起きたことを説明します。
ジョーの最後のパンチはクロスカウンターであったこと。
クロスカウンターがなぜこうも強力なのか。
こちらの腕が、飛んでくる相手の腕の上を滑ってテコの原理が働き…
この「テコの原理」が分かりません。
あちらからこちらへ向かってくるベクトルに対して、こちらから向こうへのベクトルで打つので、威力が増すというカウンターの原理は、分かるのですが…
まあいいや。
とにかく、段平はそれを説明すると、倒れたままのジョーに覆いかぶさるようにして、生きていて良かったとひとしきり号泣します。
眠ったまま木陰に運ばれたジョーと力石の顔に赤味が戻ってくる頃、収容生たちは、試合の順番を争ってリングに鈴なりになっていました。
意外な事態に教官は驚きますが、西は、みんなの気持ちが分かる。みんな感動したのだと言いおき、自身もリングへと走っていきます。
やがて、試合の順序が決まり、西がレフリー役で試合が開始されますが、最初の対戦は、巨漢の荒井と小柄な青山。
青山の3倍はあろうかという体躯を誇る荒井は、1秒でKOすると宣言したものの、逆に青山のパンチで倒れてしまいます。
意外な展開に沸く収容生たち。
怒った荒井は、遮二無二連打を浴びせてはいますが、青山がグローブでがっちりガードしていてパンチが効かず、とうとう青山の自己流クロスカウンターに二度目のダウンを喫します。
荒井がグローブをはずし、素手で青山を殴ろうとすると、リングの下から収容生の手が伸びてきて、荒井は引き摺り下ろされてしまいます。
少年院に、秩序が生まれつつありました。
静かになった木陰では、意識を取り戻した力石とジョーが、並んでそれを見ていました。
該当箇所
コミック:3巻 P.135~166
アニメ:第15話「白いマットの子守唄」
原作とアニメの相違点
葉子の物思い
収容生がリングで生き生きとボクシングを楽しむ中、葉子がひとり海を見て考え事をする場面は、アニメだけにあるものです。
リングに群がる彼らの顔は、葉子がそれまで見たことのないものでした。
慰問して演劇を披露し、みんなを喜ばせていると思っていたけれど、あれは本当の喜びだったのか…
その時、ジョーの言葉が甦ります。
あんたのすることは、いつも雲の上から。
今度も高みの見物かい?
そうではないと、否定する葉子でしたが、そうでなくなんなのかは、この時答が出ません。
最後まで、葉子がこれに対する答を語ることはありませんでした。
まだこの頃の葉子には、人間的な厚みが感じられません。
でも、葉子自身もそれに気付いています。
自分は何をしたらいいのか。どう生きたらいいのか。必死に答を探しているように見えます。
力石とジョーが言葉を交わすか交わさないか
アニメでは、先に目を覚ました力石が、寝ているジョーに小石をポンと投げてジョーが目を開けます。
そこで力石は「よくやったな。負けたぜ」と言っています。
原作では、この時ふたりの間に言葉はありません。
横たわったままうっすらと目を開けているふたりの絵
↓
力石が起き上がって、隣のジョーは仰向けに寝たままの絵
↓
収容生たちのボクシングの様子が出て
↓
座っている力石の横にジョーが立って、ふたりでリングの方を見ている絵
と進むだけで、ふたりは一言も会話していません。
私は漫画の表現の方が好きだなと思いますが、アニメではふたりとも無言だと伝わりにくいというか、印象に残りにくいのかもしれません。
漫画やアニメの技法について全然知らないので、どうもこういうことが分からないのですが。