【あしたのジョー全出来事25】ジョー、力石の待つリングへ 段平はダウン無制限の特別ルールを要求
2017/06/18
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いなどなど確認しながら振り返って行きます。
順に読んでいくとすべてのストーリーが分かるように作ります。
アニメとコミックでは、話の出てくる順序が違うことがありますが、アニメには漫画にないエピソードが含まれていることもあり、アニメに沿って進めます。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので、「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
今回は、ジョーvs力石試合試合開始までです。
Contents
エピソード
矢吹丈vs力石徹。
試合の日が来ました。
白木ジムの用意したリングが着々と組み上げられる中、力石は余裕の表情ですが、ジョーはなぜか浮かない顔で、段平や山谷の子供たちが到着してもほとんど口をききません。
力石の猛牛特訓を知ってから神経質になっているようです。
でもリングに上がる時が来ると、ピリッといつものジョーに戻ります。
段平は、そんなジョーを見て、試合が迫ると拳闘の恐ろしさに不安になり無口にもなるが、いざ土壇場になれば決断するのが名選手の証だと、ジョーのボクサーとしての資質を改めて認識するのでした。
葉子が、レフェリーを段平に頼みたいと言いますが、段平は、自分はジョーのセコンドで精一杯だしジョーに有利な判定をしかねないと断り、結局レフェリーは、劇団員のひとりが引き受けることになりました。
いよいよ試合開始となるその時、段平は西から、力石がジョーの通り魔トレーニング(収容生相手に次々クロスカウンターを打った練習)を知って、暴れ牛と特訓したことを教えられます。
すると段平は、慌ててリングにのぼり、特別ルールを認めて欲しいと願い出ます。
段平の提案する特別ルールは、意図の理解しがたいものでした。
通常の1ラウンド3回ダウンで負けるというルールを変更し、何度ダウンしても10カウント前に立ち上がれば試合を続行できることにしてくれと言うのです。
ジョーと力石の実力差はあきらかで、このルールではジョーが何度となくダウンを喫するのは目に見えているはず。
ジョーを危険に晒すルール変更の依頼に一同は首をかしげますが、力石が、段平はジョーがこの俺を何度も倒せると思っているのだろうから、こちらとしてはダウン無制限ルールを飲むと言い出し、この奇妙なルールが認められることになりました。
ジョーもまた、段平から授かったクロスカウンターはそんなにも強力なもので、段平はずいぶん自分を評価しているんだと受け取って喜んでいますが、そんなジョーに段平は、
無制限にダウンさせられるのはジョーおめぇのほうだよ
KCコミック あしたのジョー(3)P74
(C)高森朝雄・ちばちてや 2012
と告げるのでした。
段平の言う意味が分からず、ジョーが問い詰めているうちにゴングが鳴ります。
人生で最初のゴングは、ジョーには聞こえていませんでした。
該当箇所
コミック:3巻 P.51~P.74
アニメ:第13話「宿命のリングに立て」第14話「KOゴングはまだか!」
原作とアニメの相違点
試合前のジョーがシャンとするきっかけが違う
原作では、両選手の試合のための用具を白木ジムで揃えていて、力石のリングシューズやトランクスはぴったり合うサイズなのに、ジョーの分はぶかぶかでなんとも不恰好な様子になります。
収容生たちだけでなく葉子や力石にまで笑われたジョーは、ヘッドギアを脱ぎ捨てたと思うと、それを葉子に投げつけます。
続いてランニングやトランクスも投げつけるので、葉子をアイドル視している収容生たちは怒り出しますが、ジョーはすっかりいつもの調子に戻り、こっちはもう万全の態勢だ、いつでもゴングを鳴らせと言い放って、段平を感動させます。
アニメでは、ジョーの使うグローブは段平が現役時代に使っていたものです。
段平のかつての対戦相手の血の浸み込んだグローブのニオイを嗅いで、ジョーに火が入ります。
ヘッドギアを渡しに来たついでにジョーをからかうガイコツを軽くぶちのめすと、いつも通りのジョーに戻っていました。
ボログローブちょっと借りるぜ
子供たちの歓声を背に、リングに飛び込んでいきます。
これでこそジョー!
と、闘争モードにスイッチするきっかけが違います。
もっとも、何のきっかけもなくても同じようになったでしょうけども。
燃える男ケンカ屋ジョーですから。
この、オンとオフの落差の激しさもジョーの魅力のひとつかなと思います。