【あしたのジョー全出来事32】矢吹丈vs青山守
2017/06/18
「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返って行きます。
順に読んでいくとすべてのストーリーが分かるように作ります。
アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので、「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。
少年院ボクシングトーナメントは、ジョーと青山の試合まで進みました。
Contents
エピソード
ジョーは一回戦で松木を破りますが、良い勝ち方ではありませんでした。
収容生たちは次のジョーvs青山戦でどちらが勝つのか賭けを始めています。
イキイキと充実した様子の青山に対し、ジョーは、すっかりしょぼくれちゃって、もうなんだか…
力石は、今度の試合で拳闘の底知れぬ恐ろしさを知るだろうと意味深な予言。
大半の収容生が青山に賭けることになります。
試合当日。
葉子だけでなく、祖父の白木幹之介までが観戦に訪れ、今日の試合が特別なものであるという印象を強めます。
さて試合開始ですが…
ジョーは、相変わらず一番重い12オンスのグローブを選びます。
そりゃね、今更軽いグローブに戻せるジョーだったら、この物語始まってないけどさ。
試合前の注意を聞きながら、口笛を吹いて強がるジョーを、葉子は虚勢と切り捨てますが、白木幹之介の意見は、少し違いました。
相手の強さを知りながらなお強がるのは、ただの虚勢ではなく悲壮な決意の表れだと言うのです。
そうすることで自分を追い込んでいるのだと。
ジョーのこれまでの人生は、ずっとずっとずっとこうだったのでは?
幹之介翁は、偏見なくジョーを見ているようです。
ゴングが鳴ると、最初からジョーはやられます。
冷静にジョーのスキを見抜き正確に打ち込んでくる青山は、1回戦のときよりもずっと腕を上げているようです。
ジョーの返すパンチはまるで当らず、よろけたところでレバーブローまで…
青山のテクニックに幹之介も力石も驚いています。
足元が狂ってよろけるジョーの顔面に青山の左が入り、とうとうジョーはダウン。
ジョーはスリップだと主張しますが、段平は取り合いません。
第2ラウンドに入ると、試合はいよいよ一方的になりました。
ジョーは、成すすべなく打たれるばかり。
第2ラウンド終了間際、青山のアッパーがジョーのあごを捕え、またもジョーは倒れます。
ジョーを抱きかかえてコーナーに連れて行く西。
去り際、段平をキっと睨みつけてくれてありがとう。
続く第3ラウンド。
最終ラウンドです。
ジョーは、西のアドバイスを容れて基本に立ち返ろうとします。
左ジャブ、右ストレート。
あしたのために その1その2。
これまでは面白いように決まっていたあのパンチが、どうしたわけか今日は入りません。
青山がすべてかわしてしまうのです。
ジョーがこれまで信じていたものは、このリングの上で何もかも壊れました。
またジョーがダウンします。
ジョーが負ける?青びょうたんに?
もちろん段平の「立つんだジョー!」は、ありません。
どんなに言いたかったことでしょう。
ジョーは立つのか。
それは試合の勝敗を分けるだけでなく、ジョーの未来を、段平の夢の行方を決める、とてつもなく重要な10秒間でした。
エイトカウント。
立ち上がりました。
あしたのジョー!
この時、新しいジョーが誕生していたのです。
ジョーの変化に段平が気付き、葉子も気付きます。
これまでと目つきが違う、見たこともない素直な目だと。
すぐに他の者たちもジョーの変化を知ります。
向かって来る青山に対し、ジョーは両腕でガードを固めたのでした。
かっこいいポジションではありません。
収容生たちは笑っています。
続いてジョーは、フットワークを使い始め、青山の出すパンチを軽やかによけるようになります。
段平が青山に教えた技術のすべてを、ジョーはすっかり自分のものにしていました。
こうなったジョーが負けるはずがありません。
立て続けにダウンを奪い、試合はジョーのKO勝ちに終わります。
試合終了と同時に、ロープにもたれかかるジョーとリングに倒れる青山。
両者とも限界を超えた戦いでした。
白木幹之介は、ボクシングのこれまでの発展は、「防御」という人間の謙虚さあってのことだと解説し、素晴らしい試合だと評します。
この日から、白木氏はジョーを気にかけるようになります。
該当箇所
コミック:4巻 P.106~187
アニメ:第19話「恐怖のレバーブロー」~第20話「傷だらけの勝利」
コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。
原作とアニメの相違点
大きな違いはありませんが…
アニメでは、サチがカメラを携えて見に来ています。
葉子が連れてきてくれたみたいです。
ジョーが、二度目のダウンで朦朧と「もうボクシングをやめよう」と考える、その心象風景が描かれるのはアニメだけです。
ぼやけた意識の中、ジョーは段平に話しかけますが、段平は青山の右手を上げてジョーから遠ざかって行ってしまいます。
また、原作では、青山の二度目のダウンでレフェリー段平はカウントを取らずにジョーの右手を上げてKOとします。
収容生たちは怒り出しますが、白木翁が、レフェリーの判断は正しいと発言してその場を収めます。
アニメでもジョーのKO勝ちは同じ流れで決まったように見えますが、収容生が疑問を持ち白木氏が説明する場面は省略されています。
段平が、青山に「ああなってしまったジョーは手がつけられない、あれ以上試合を続けさせるのはしのびなかったのだ」と話し、青山が負けを認めるのは、どちらも一緒です。
段平は、青山にも充分ひどいことしてるしね、これで大怪我までさせたら確かにマズいわ。