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いつだってやめられるVol.1-7人の危ない教授たち登場人物あらすじ感想など

2019年5月30日

イタリア(2014年)の映画「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」は、低所得に困窮する7人の学者が新しい化合物を作って儲ける物語です。

出だし部分はブレイキング・バッドと似ていますが、ストーリーは全然違っていて、こちらもとても面白い!

好評で3作品の制作された「いつだってやめられる」シリーズ最初の映画、ピンクのラベルの「いつだってやめられる-7人の危ない教授たち」の登場人物とあらすじなどをまとめます。

Contents

いつだってやめられるVol.1登場人物

登場人物相関図

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いつだってやめられるVol1登場人物相関図

各登場人物詳細は下に

貧乏博士ギャング団構成員リーダー:ピエトロ・ズィンニ

演:エドアルド・レオ

神経生物学者

大学で教鞭をとりながらノーベル級の研究成果を挙げた(自称)が、研究内容が難しすぎて誰にも理解できず、大学との契約も解除される

自宅で補習している生徒たちは揃って授業料を滞納。

ピエトロはアパートのエレベーター代が払えない状態に

ピエトロの周辺人物:セータ教授

演:セルヒオ・ソリ

ピエトロの上司にあたる教授

ピエトロの周辺人物:ジュリア

演:ヴァレリア・ソラリーノ

梅宮アンナ系ラテン美女。髪はストレートのセミロング

ピエトロと一緒に暮らしている

民生委員でドラッグを憎んでいる

ピエトロの周辺人物:ヴィットリオ

弁護士

Vol.1では本人の登場はない

ピエトロに弁護士を抱えるお金があるとも思えないので、学生時代の友達とかでしょう

ピエトロの周辺人物:マウリツィオ

演:グリエルモ・ポッジ

ピエトロに補習を受けている男子生徒。

両親は航空事故で死亡し、勉学のためウエイターのバイトに励んでいるというマウリツィオに、ピエトロは補習の授業料を強く督促できない。

製剤担当:アルベルト

演:ステファノ・フレージ

ふっくらと丸い人

計算科学者

研究では食えず、中華料理屋で皿洗いをしている。

ウエイターに昇格するのが夢

アルベルトの周辺人物:パプリカ

演:Katsiaryna Shulha

ブロンドのロシア人女性

パーティでアルベルトと知り合う

美しい!

営業担当マッティア

演:バレリオ・アプリア

銀髪の巻き毛の人

ラテン語学者

ガソリンスタンドの夜勤

営業担当ジョルジョ

演:ロレンツォ・ラヴィア

黒髪ヒゲにメガネの人

ラテン語学者

ガソリンスタンドの夜勤

ジョルジョとマッティアの周辺人物:アリ・カーンさん

勤務先のガソリンスタンドのオーナー

マーケティング担当アンドレア

演:ピエトロ・セルモンティ

黒い短髪にヒゲの人

人類学者

文化人類学論文の評価は高いが、稼ぎはない

ボディランゲージなどを指導し、教授らをギャング団に見えるよう監督しながら、マーケティング部門を受け持つ

輸送担当アルトゥーロ

演:パオロ・カラブレージ

ひと際年長で役所広司とアル・パチーノをベースにニコラス・ケイジをちょい混ぜた顔の人

考古学者

工事現場で遺跡が出ると現場監督として呼ばれるが、非常勤のため今も両親と同居している

ローマ市内の制限区域に車両で乗り入れできる権限を持つ

財務担当バルトロメオ・ボナッチ

演:リベロ・デ・リエンゾ

額の真ん中あたりで切った前髪ともみあげの長さが特徴

数理経済学者

ギャンブルに数学を応用しようとするがうまくいかず、ロマの彼女アンジェリカのヒモのような生活をしている

バルトロメオの周辺人物:アンジェリカ

演:Majlinda Agaj

バルトロメオの彼女

バルトロメオに金品を与えているようだが貢ぐのが好きなわけではなさそう。

バルトロメオの周辺人物:ロマの人々

「ロマの人」と呼ばれるバルトロメオの彼女とその一族

 

左からピエトロ、アンドレア、アルベルト、バルトロメオ、マッティア、アルトゥーロ、ジョルジョです。

番外マルティネティ

当初財務担当候補として名前が挙がったが、北極海にタラ漁に行っていて半年帰らないので無理だった

ムレーナ

演:Neri Marcorè

右の眉がない

ドラッグ界の謎の大物

サントラです↑試聴可能

「いつだってやめられる」あらすじ…と言う名の事業の開始→隆盛→終焉まで

 新分子構造のドラッグ(合法)製造販売プロジェクトのスタートアップ

キックオフミーティング

マッティアジョルジョの雇用主アリ・カーンさんの従業員用施設を借りて行う。

資金調達

バルトロメオアンジェリカを拝み倒して借りる

商品製造

資材調達と製造プラン

以下ネタバレです。

ネタバレを読む

 

1.クローブを配合した化粧品、シャンプー等を大量に買ってオイノゲールを抽出

2-1.カリウムによりイソオイノゲール

2-2媒介のホウ酸ナトリウムは水槽用の中和剤から
→アルベルトのこだわりがその素人臭さを許せず、水素ロジウムを使用することに

3.大量の蒸留水→そのまま

4.糖衣錠用の砂糖→そのまま

5.還元アミノで高品質の麻薬完成

…と、太字を交えて書いてはいますが私にはなんのことだかさっぱりです(笑)

合成

ピエトロアルベルトの二人が金曜夜の無人の大学実験室で合成、製剤

純度99%の新化合物完成

新しい化合物

イタリアで言う「違法ドラッグ」とは、保健省が指定した構造式の物質のことです。

ピエトロたちの作っているのは、これまでにない新たな化合物。

今のところ薬物自体は違法ではありません。

ただ、彼らは食品販売の免許を持っていないので薬を売れば罪になります。

商品販売

1.クラブに乗り込み、場慣れした風を装うマッティオにさくら役アンドレアが意味ありげに「最高だ。ありがとう」と声を掛ける。

2.何も知らない客が「何がある?」と近寄ってきたら軽くもったいをつけて「欲望」ではなく「渇望」を生じさせた後「トイレへ行け」と伝える。

3.トイレでは売人バルトロメオが待ち受け、客と交渉。途中でさくらのアルトゥーロが、バルトロメオに「ぶっとんだ」と耳打ちして立ち去る

4.客から200ユーロ受け取ったら、「一番奥のトイレをノックしろ」と指示

5.ノックを受けたジョルジョがドアの下から薬を渡して取引完了

顧客満足度リサーチ

教授グループの薬は、たちまち大評判に。

効果を具体的なデータとして知りたいアルベルトは、客にインタビューを試みる。

でもどの客も薬が効いていてまともな会話が成立しない。

学究的好奇心を抑えきれず自身を被験者として科学的な実験を敢行する。

事業の拡大期

販路拡大

運び犬

アンドレアとアルトゥーロは、利口な犬を買い、公園でくつろぐ客への運び屋をやらせる

この販売方法の開発により、ローマ南部やトリノでの出張販売が可能になる。

客単価が低いのが欠点。

ソウスリャナンデモキープイットグリージー

裕福な客を集めたパーティのコーディネイトを商売にする男と知り合い、大金を稼げる販売チャネルに集中する方向へ舵を斬る。

アルベルトは、このパーティでロシア美女パプリカと知り合う。

事業拡大に伴い発生した問題

ジュリア

ピエトロと一緒に暮らすジュリアは、薬物依存症者を支援する活動に従事している。

「最近新種の薬が出回って、麻薬をやる人が増えた」とこぼし、「そんな薬を売る奴は裁判なしで終身刑」と憤る。

そんな中、大学の仕事を干されていることをジュリアに知られたピエトロは、麻薬を売って儲けていると話してしまう。

ジュリアはピエトロの子を妊娠していると打ち明ける。

ムレーナという男に目を付けられる

ムレーナは、ローマのそれ系の世界の大物らしき人物

バルトロメオが「ムレーナの縄張りで商売するな」と暴行を受けるに及び、ピエトロは、ムレーナと対決する道を選ぶ。

アルベルトは依存症

セルフ治験によって薬の効果を知ったアルベルトは、パーティで横に座った美女を口説けない自分を奮い立たせるために、また薬を飲んでしまう。

もう立派な依存症。

バルトロメオ「結婚したくない」

(事業とは関係ない)

事業の破綻

アルベルト拘束される

アルベルトが車で事故を起こし、積んでいた薬を警察に押収される。

売っている薬は、まだ保健省の違法薬物リストに入っていない化合物なので、その時点では違法ではない。

でも実物が警察の手に渡れば、すぐに分析され違法指定されるのは目に見えている。

加えて、取り調べの刑事はアルベルトを「研究員ギャング」と呼んでいて、彼らの存在が噂になっていたことが窺われる。

ムレーナの脅迫

家を出て行ったジュリアと話し合うためピエトロが一晩借り切ったレストランにムレーナが現れ、「2日後までに10kgの薬をよこせ」と言う。

ピエトロは応じない。しかしムレーナは事前にジュリアを拉致していた。

窮余の策

最後の取引にうって出るピエトロ

ジュリアを人質に取られているピエトロは、ムレーナと取引せざるを得ず、「10kgをムレーナに100万ユーロで売ったら我々は解散する」と教授メンバーに宣言。

武装強盗

10㎏の化合物準備

大量のオイゲノールを入手するため薬局を襲うことに。

幸か不幸か武器はある。

アルトゥーロは、エルミタージュ美術館に展示されるナポレオン戦争(1803年-1815年)の武器甲冑の保管場所に入ることができたので、それらを拝借。

目出し帽をかぶって押し入った薬局で、カウンターの薬剤師に銃を向け「オイゲノールの入った製品を出せ」と脅す。

ナポレオン戦争
PublicDomain「アウステルリッツの戦い」フランソワ・ジェラール
作戦の失敗

薬剤師は、ピエトロが大学で試験をした生徒だった。

強盗がズィンニ先生だと気付いた薬剤師は、心理学の実験と勘違いして笑っている。

なのに動揺したマッティアが発砲薬剤師は腕に怪我する。

記憶を消す

薬剤師の記憶を消すことを思いついた強盗団は、彼をトラックに乗せ、キシレムとバイコディン?安定剤と鎮痛剤? ヒドロキシ酪酸を含んでいて短鎖脂肪酸で短期記憶に作用するとかなんとか…そんなものを飲ませる。

ムレーナと取引する薬がない!

薬局からの資材強奪に失敗し、ジュリアを救い出すためにムレーナに渡す薬が用意できない。

ピエトロは、取っておいた最初の試作品の1錠で勝負する。

バルトロメオの結婚式

危険を伴うムレーナらとの取引には、もっと危険な人々の集まる場が必要となり、バルトロメオとアンジェリカとの結婚式が挙げられる。

ムレーナ一味よりも危険とその実力を買われるロマの人々ってすごい…

「ロマ」は「ジプシー」の別の呼び名だと思っていたのですが、違うのですね。

ロマRoma、次節も参照、単数はロム)は、ジプシーと呼ばれてきた集団のうちの主に北インドのロマニ系に由来し中東欧に居住する移動型民族である

ロマ|Wikipedia

「ジプシーのキャンプ」と題されたジャック・カロの銅版画を転載した挿絵
PublicDomain

授業料未納の教え子マウリツィオの父親のケータリング会社を使い、ウェイターのマウリツィオに最後の1錠を預ける

ムレーナが薬を試す時が来たら、マウリツィオがムレーナの酒にその錠剤を溶かして出す

試作品入りのシャンパンで偽薬を飲んだムレーナは品質に満足

ピエトロに友情すら示して取引終了

ジュリアと引きかえに渡した10kgの薬物は、ただの砂糖

登場人物は最後どうなったのかまとめ

左からバルトロメオ、マッティア、アンドレア、ジョルジョ、ピエトロ、アルトゥーロ、アルベルトです。

ドラッグの帝王ムレーナ

逮捕

バルトロメオの結婚式場から警察へ向かったピエトロは、警察と取引する。

取引内容は、ムレーナの逮捕ネタ提供と引きかえに他のメンバーは無罪放免。

その日、ムレーナが持っていた大量の錠剤は砂糖のかたまりなので、これで逮捕させるのは不可能。

そこで記憶を失くしている薬剤師をムレーナの車のトランクに押し込み、誘拐で逮捕させた。

ラテン語のジョルジョとマッティア

ガソリンスタンドのラテン語コンビは、羽振りの良かった頃借りていた高級ホテルの部屋代をベルボーイの仕事で返済。

計算科学のアルベルト

薬物依存症からの回復に努める

ロシア美女パプリカは不明。たぶんどこかへ行ったでしょう。

文化人類学のアンドレア

この稀有な体験を語り、就職面接にパス。ただし無給

考古学のアルトゥーロ

臨時現場監督業に復帰

経済学のバルトロメオ

結婚

化学のピエトロ

化学講師の仕事を得る in 刑務所

ジュリアと子供は刑務所からの講義手当を頼りに生活しているため、模範囚ピエトロは、近いうちにアルバニア人と食堂で暴動を起こして刑期を延ばす予定。

化学の講義

アンドレアは(無給の)仕事があるのでもう飼えないと言っている。

とは言え捨てるならもうとっくに捨てているはず。

アルトゥーロのご両親が可愛がってくれるでしょう。

薬剤師

多分生きてる

「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」の感想など

すごく面白くて3作一気に見ました。

教授たちの浮世離れした様子だとか、自分の専門分野以外のことには興味を持とうとすらしないところだとかにリアリティを感じたので、物語の現実味の薄さはあまり気になりませんでした。

「頭が良すぎてちょっとずれてる人」というのは、おそらく多くの人の中にある典型的な天才像でしょう。理想像と言ってもいいかもしれません。

登場する学者たちがみんなマイペースで、それぞれ勝手な方を向いている様子に逆に安心感を覚えるのは、そのせいかなと思います。

学問に生きようと思ったらお金は諦めることになるのは、世界標準でしょうか。

日本でも似たような話を聞くことはあります。(注:ドラッグ製造の話ではない)

「ベンツもロレックスも買えないけど好きなことをしているよ」

これならいいのです。むしろベストな人生と言いたいくらい。

でも食べるのに不自由するほどではね。

ピエトロたちのギャング団にリスク要因の予測と早期に事業を売却する計画があったら、もしかしたら7人とも研究三昧の人生を送れたかも?

と、シリーズ1「7人の危ない教授たち」はこんな感じです。

「いつだってやめられる」3部作

「いつだってやめられる」はシリーズ化してこの後に続編「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」