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あしたのジョー全エピソード

【あしたのジョー全出来事97】ジョーと葉子六本木バロンで邂逅

2017/10/30

「あしたのジョー」すべての出来事を漫画とアニメの違いを確認しながら振り返っています。

アニメ、漫画の該当箇所も書いておくので「あの場面は、何巻だっけ?アニメの第何話だっけ?」と思った時にもご活用ください。

ジョーと葉子が思いがけない場所で再会します。

Contents

エピソード

スポーツ記者が、ジョーを発見します。

力ない足取りで街をふらふら歩くジョーにかつての精悍な雰囲気はなく、まるでホームレスです。

記者は、面白い話題だとジョーに近づき、六本木のクラブバロンに連れて行くのですが、そこは最近葉子が入り浸っている店でした。

毎度ろくなことをしない記者のダンナよ、その前にとりあえずジョーを石けんで体洗える場所に連れて行ってやって欲しいんだが…え?銭湯でいいよ、もちろん。

思いがけない邂逅にふたりは、しばらく言葉を失ったままでしたが、やがて互いに「こんなところで何をしているのか」と聞きます。

どちらも開き直って「踊っていたのよ」「酒を飲みにきたのさ」と答えますが、葉子はジョーを許しません。

ジョーがこれでは、力石はバカな死に方をしたことになる、と。

今のジョーが一番言われたくないことでしょう。

ジョーは怒り出し、「死んじまえ」と言い捨てて店を出ようとしますが、葉子はそれを追い、

ウルフや力石からの神聖な負債がある矢吹丈は、リングで死ぬべき人間なのだと自覚しろ。
ボクシングを捨てることなど断じて許さない。

と、強い言葉を投げつけます。

ジョーが葉子のこの言葉をずっと忘れずにいたことは、後になって分かります。

「後」というのは3年後です。

3年後ジョーと葉子は、再びこの店に来るのですが、その時に。

バロンでの葉子の言葉は、葉子の本意を離れて独り歩きする予言になる…なってしまいます。
この日の言葉も、3年後の言葉も。

該当箇所

コミック:9巻 P.60~ P.97
アニメ1:第54話「悲しみの十点鐘」
アニメ2:該当箇所なし

コミックの掲載箇所としているのはKCコミックでのページです。

原作とアニメの相違点

意外にもアニメ2にはこの場面がありません。

アニメ1と原作には、小さいけれども重大な違いがあります。

原作のジョーは、夜遊びしている葉子に

その遊びに疲れた青ざめた顔はなんだ
夢 はかなくも破れたりだ

KCコミックあしたのジョー(9)P121 (c)高森朝雄・ちばてつや2012

と言っています。

葉子に「夢?」と聞き返されて、それには答えず店を出ようとするのです。

夢って何?

ジョーが最初から葉子を綺麗な女の人だと思っていることは、ジョー自身がたびたび口にしています。

美人なんだからショーケースのお人形さんのようにじっと黙ってればいいのに、いちいち出しゃばって来るな。くらいの感じと思っていたら、「夢」とか言っちゃうほどだったの?

しかもクラブで遊んでただけでがっかりするって、ジョーの夢の葉子像ってまさか

「お爺様のハンカチの刺繍も済んだし、今日は久しぶりにクッキーでも焼こうかしら」

とか

「少しお昼寝させていただくわ。わたくしったら夕べロマン・ロランを読み耽って夜更かししてしまったのよ。ダメね」

とかそういうの?

あり得なくはない…

いえ、この感じではなく、もしかすると

ジョーは、綺麗な人を見ると、自分のお母さんはあんな人だったかもと勝手に想像していて、葉子がそれだった?

ジョーと葉子って似てるし(笑)

ジョーの台詞の意味は謎です。

と言いますかですね…

実は私は、ジョーは裁判所で初めて会ったとき、一目見たときから葉子を好きだった、と思っているので、それほど謎でもないのですが、ジョーは、その気持ちが何なのか最後まで分からなかっただろうと思うのですよね。

なので、こんな言葉が出るほど明確に意識できていたとは思えず、そのあたりでやっぱり謎なのです。

口をついて出た言葉に自分でもびっくりといったところかな?

それでもやっぱり、女関係で自分の気持ちをそう深く追究したことは、なかったんじゃないかなと思います。

あと、アニメでは、ジョーと話し始めた葉子に、いかにも薄っぺら気が男が「おい葉子」と話しかけてきます。

原作にもこの場面があったら、ジョーはこれも気に入らなかったのかな?と思えるのですが、原作には、バロンで葉子を呼び捨てしている人物はいません。

 

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