カーロス・リベラと矢吹丈~ロープ際全攻防詳細
2018/12/23
カーロスとジョーの対戦では、ロープ際の攻防がとても重要な位置を占めます。
ロープ際でふたりのやることは、どれもアイディアと技巧を要するものばかりです。
ふたりがロープ際で見せた戦略のすべてを、ここにまとめておきます。
ふたりの試合(原作とアニメで4バージョン)のまとめは、こちらに。
カーロス・リベラvs.矢吹丈 原作とアニメ4つの対戦を整理
Contents
カーロス・リベラvs.矢吹丈ロープ際の攻防
原作
スパーリング in 白木ジム カンガルークロス
カーロス、右ストレート
↓
ジョー、左腕をテイクバックでロープにリバウンドさせてクロス
↓
カーロスダウン
少年院で力石と相打ちしたのと同じクロスカウンターです。
エキシビション ロープ際三段打ち
ジョー、ロープにもたれる
↓
ジャブは届かずストレートを出せばカウンターが返って来ると考えるカーロス、左スイングでジョーを横から襲う
↓
ジョー、右グローブでカーロスの左腕を弾き飛ばす
↓
ジョー、引いた右腕をロープに跳ね返らせてカーロスのボディへ
↓
カーロス、ダウン
スイングを出すカーロスは、スパーリングで味を占めたジョーがロープ際でクロスカウンターをすれば勝てると考えているのだろうとタカをくくっていますが、ジョーは、カーロスがスイングで来ることを読んでいました。
スパーリング in 丹下ジムで「次の試合ではロープが鋼鉄の棒になる」
丹下ジムを訪れてジョーとスパーリングしたカーロスが、帰りがけにこう言います。
10回戦 in 後楽園球場 ロープ鋼鉄の棒
ジョー、あえてロープにもたれる
↓
カーロス、左アッパーと見せかけてロープ上段を左腕ですくい上げる。
ロープはたわみを失い鋼鉄の棒に
↓
カーロス、固定されたジョーに右でボディブロー
↓
ジョー、ダウン
葉子が軽いパニックになるのは、この後のインターバルです。
10回戦 in 後楽園球場 下段ロープリバウンドアッパー
ジョー、再度ロープに寄りかかる
↓
カーロス、左でロープ上段をすくう
↓
ジョー、沈み込んで下段ロープに体重をかけ、リバウンドしながら右アッパー
↓
カーロス、ダウン
試合が始まるまでは、これまでのジョーとの接戦もすべて演技だったカーロスでしたが、試合開始後、今日のジョーはいつもと違うと言い出し、演技をやめています。
このロープ際アッパーを受けるに至り、カーロスは、ジョーを心から認めるようになりました。
この後ふたりは、ルール無用ゴング無用の殴り合いを続け、ロクに言葉も交わさないまま親友となってカーロスは日本を離れます。
アニメ1
スパーリング in 白木ジム カンガルークロス
原作と同じです。
試合 ロープ際三段打ち
原作と同じです。
試合 ロープ引き寄せボディブロー
ジョー、ロープにもたれる
↓
カーロス、右スイング
↓
ジョー、左でカーロスの右腕を弾き飛ばそうとする
↓
カーロス、ジョーのグローブをよけた右手でジョーを支えるロープをつかんで手前に引き寄せる
↓
ジョー、前方に倒れながら左アッパーを受けてダウン
ジョーが大振りして体をふられたと見せかけて再度ロープにもたれると、カーロスは、突っ込んできますが、三段打ちの再現を危惧して攻撃しません。
しかしカーロスは、思い直したように「もう一度やったらいい」と言います。
普通の選手ならこう言われたらロープを離れると思いますが、ジョーなので、カーロスの挑戦を受けてロープに留まり、場外に飛ばされるダウンを喫します。
この後のインターバルで、ふらつくジョーを抱きかかえながらカーロスは、「ここからは小細工抜きでやろう」と耳打ちします。
続くラウンドからふたりは、フットワークを捨てた殴りあいを両者倒れるまで続けます。
試合後カーロスは、葉子と話しているジョーを遠くから見るだけで話をせずに帰って行きます。
アニメ2
アニメ2のスパーリングでは、クロスカウンターは出ますが、ロープ際ではありませんでした。
試合の2R でカーロスは、ジョーのクロスを受けてダウンしますが、カーロスほどの選手がスパーリングと同じ手を2度食うのは疑問だとジョーは考えます。
これは、次のラウンドでジョーのクロスを誘い出す布石でした。
試合 クロスカウンターもぐり肘ボディアッパー
ロープに飛ばされたジョーにカーロス、右ストレート
↓
ジョー、左ストレートをクロス
↓
カーロス、ジョーの左腕の下に入って右肘をボディへ
↓
カーロス、続けて左アッパー
↓
ジョーダウン
試合 肘ブロックカンガルーボディボロー
ジョー、ロープにもたれてカーロスを誘うジェスチャー
↓
カーロス、左ストレート
↓
ジョー、右をクロス
↓
カーロス、ジョーの右腕にもぐって左肘でボディを狙う
↓
ジョー、カーロスの肘を左肘でブロック
↓
カーロス、右アッパー
↓
ジョー、ロープに深くもたれてアッパーよける
↓
ジョー、後ろに引いてロープにリバウンドさせた左でボディブロー
↓
カーロスダウン
普通の選手なら、ここでロープにもたれるジョーは不気味すぎて手を出さないと思いますが、カーロスなので…以下同文。
試合 ロープ鋼鉄の棒
ロープ際からのボディを喰らったカーロスでしたが、「またロープ際を待っている、次はロープが鋼鉄の棒になる」とジョーに告げていました。
そして…
ジョー、ロープへ
↓
カーロス、右ストレート
↓
ジョー、左をクロス
↓
カーロス、ジョーのクロスを弾き返す
↓
カーロス、左腕でロープ上段をすくう
↓
カーロス、右アッパー
↓
ジョーダウン場外へ
試合 下段ロープリバウンドアッパー
ラウンドは始まっていないのにリングに出てきたジョーは、カーロスのコーナーに走り、カーロスに「ロープ際で待ってる」と伝えます。
やったことは、原作のロープ下段リバウンドと同じです。(左右も同じ)
この後カーロスは、しばらく防戦に徹しますが、体力が回復すると「スーパーパンチ」を使い始めます。
スーパーパンチは、ホセ戦のために編み出した見えない超スピードのパンチ。
やがて試合は、壮絶な打ち合いになり最終ラウンド終了と同時にふたりはリングに倒れます。
ジョーとカーロス
以上が、ジョーとカーロスの間で交わされたロープ際の攻防です。
良く似たふたりは、相手の仕掛ける罠をそれと承知でハマり、傷を負っても引き下がらず、常に相手の上を、その上を行こうと挑戦し続けます。
堂々と打たれ、堂々と打ち返す。
リスペクトしあうライバルとは、きっとこういうものなのでしょう。